>>114(>>147)ウロボロス
ここー!
[ジズは振り返り、叫んだ。
建物の入り口から出てきたのは、宿屋の主。
彼は「ジズ!新鮮なうちに捌けといつもあれほど……」と彼女に告げた。]
出かける前にぃ……?
はーい、今行きます。
……ということで客引きの時間はおしまい。
[ジズは集めた埃と落ち葉を掃き取り、箒を片付けた。そうして、建物の方へと引き返していく。]
じゃあね、…………。
[扉を開いて振り返った彼女は、奇妙な間を作った。
人ならざるものであれば、開かれた扉のその奥から血の匂いを嗅ぎつけられたかもしれない。]
あんた、名前、なんだっけ。(2/2)