……すごい、です
ごめんなさい。なんて言ったらこの気持ちが伝わるのか……
[同じ年頃のマウスが語った男のロマンとやらすらイマイチ理解出来てなかった少年は、感じたものをうまく表現出来なかった。
口元を抑えながら冊子を返す。静かなものだが、落ち着き無く揺れる翠色の瞳孔の拡大はよくよく見ねば分からない変化。>>60]
なんというか、僕はあの人のことは全く知らないのに
あの子達と一緒に側にいるみたいな気分になって……
なんだか声も聞こえてきそうな感じがしてきました
あの時言ってたのはこういうことなんだって思いました
それから、マストさんにとってあの人が
とても大切なのかな、とかも……多分
[足りない表現力で懸命に伝えようとした後に、付け加えるように躊躇いがちに、不確定な感想も述べる。
子供はこの冊子が相手の見つけたかったものとして信じ、再び問いかけることはなかった。何しろこんなにも素晴らしい作品なのだから、夢に来るほど探していても当然だろうと。]