こんニチハ。ニンゲンサマ。
僕は『ラピス』でス。
[ニコと笑ってお返事をするのは人形としての本能から。
それに加えて、陶器の肌がいつもより柔和に笑っているように見えるのは、もしかしたら、このサーカスショーに当てられて、楽しんでいるからかもしれません]
ぼくは気がついたラ、この遊園地の入り口にいましタ。ソシテ、気がついたら…独りで、ナニモ覚えていないことを思い出しまシタ。
ケレド、ナニモないと、ニンゲンサマのお役に立てません。
ここでハ、『楽しむ』ことが、ボクの意義と聞きマシタ。
だから…ナニガひつようなのか、ヲ、さがして、
ヨウセイさんのショーを、みています
[と、現状の説明をしたでしょう。
そんな不格好な説明に妖精たちはクスクスと笑い、
彼の持つ風船の周りをひらひらと舞いました。
風船はふわふわと浮力を増し、ほんの少しだけ、身体が浮いてしまいそう。この風船は、楽しいの証]