―表通り:クレイと―
[クレイと名乗った男に案内され、人混みを歩いていく。心なしか一人でいた時よりも歩きやすい。
そしてサファイア・ウロボロスの名を聞けば、一瞬目を見開く。]
彼を、知っているのか。
……先輩だ。軍いたときはとても世話になった。一人で活動するようになってから久しく会っていないが……そうか。元気そうで何よりだ。
(トループにいるなら会えるだろうか。しかし、会ったところで何を……。)
彼はとても素晴らしい医者なんだ。メトロポリス一の腕前の持ち主で、それはもう彼に直せない患者はいないのではと思うほどで――
[尊敬する彼の話に、つい興奮気味に話してしまう。
まさか前線に駆り出されていたなどとは思うはずもなく、いかに素晴らしい人物であるかを話しただろう。]