―― スイッセスさんの自室 ――
[恋人のように抱き締められた時、正直動揺してしまった。
だって初めて男の人に抱き締められたのだから。
おじいちゃんだと思っていた彼が見せた男としての一面。
それは確かに怖くもあったけど、それは”人間”として接してきた証。
機械だから、という発想はアタイにはなかった。
仲良くなれていたと思っていた、だけど――……
拒絶して突き放せば糸が切れたようにスイッセスさんはアタイを離してくれる>>148]
スイッセスさん…………、
[失礼なことをしたと呟く彼にどんな顔をしていいのか分からない。
瞳に溢れていた涙が一筋、頬を伝って流れ落ちる。
沈痛そうな、そんな顔のまま呆然とツイッセスさんを見ていた]