>>79
不変を望んでも周囲はどうしたって変わるなら、自分で辺境に足を踏み込みたい質でね。
[向けられる真っ直ぐな肯定と感心に照れるなぁと緑の液体で唇を湿らせ、喉を鳴らす。
これはおじさんのどうでもいい話だから面倒な事は聞き流してくれていいんだけど、と下らない前置きをして]
とにかく強い酒を、だとか。
安くて量が飲める酒を、だとかさ。
そんな注文の仕方しか知らなくてねぇ。
こうやって誰かに勧められた酒じゃないと美味い酒にはなかなかありつけないんだ。だから、とても助かったよ。
ありがとうね。急にこんなお願いをしてしまって。
[デザートには丁度いいだろう黒色のゼラチン質は、彼女の髪ともよく似ている。図らずも好物を示せたことに満足げにひとり頷いた。]