[その間は多分、本当に一瞬で。
けれども、そんな彼女が少し考え込む様子が見えた時――「どうしたの」、と一言問うことができなかった。
その代わりみたいに、抗争とデビューの話>>17に切り替えていた。そんな、オクリビだった。
結局、ズィーがあの時何を考えこんでいたのかは、オクリビには判らない。判らないまま、この引っかかりは記憶領域のどこか深くに落ちていく。
この時はそれよりも今後のことを。国のことを。
今日を、明日を生き延びることを――。
「今」の一瞬を重ねて生きていく>>25という思考は、この時の女の中には、なかった**]