[ーーこの後いくつかやり取りがあり、結局退部届を松本は受理する。
原作でも幸阪結月の魅力を存分に描くためかなりの頁数が割かれている箇所であるが。
映画ではーー波乱が、起こる。
根岸が、アドリブの台詞を言ったからだ。
行平が冒険的な演技をしたせいか。
まるで鍔迫り合いのような掛け合いがここに実現する。
映画完成後、このシーンは評論家たちから絶賛されるのだが、当人であった行平は相手役の根岸の度胸と、素晴らしい演技の迫力あってこそのものと考えている。
ちなみに、やり取りの内容は違えどシーンの最後は原作通りに終着した。
松本の最後の言葉は突き放すようで、まだ彼女に考える余地を与えるものだ]