>>149ヤワタ
[自身の本来の姿を男が見た事には気付く事もなく。
呟かれた言葉を聞けば、普通の人間なら、容姿を褒められたと思うのかもしれない。
正気に戻った男が頬を染めているのなら、尚更そう感じるであろう。
生憎、普通ではないので特に何も感じはしなかったのだが。]
自分の事を知りたいとは思わないのか。
…変わった男だな。
[人間ではない自分もこの男が異質だと感じる。
分かり様のない事まで知りたがる人間と多く接してきたからだ。
少女の無事を知り、総合を崩したその顔を不思議なものを見るような目をして見ていただろう。]
よく今まで無事だったな。
運は良いんだろう。
[気の抜けた言葉を返されれば、その細腕に視線をやって呟く。
不可思議な道具を持ち、そしてその身に魔力を宿している。
目の前の男を見ればそんな事は想像もつかなかっただろう。
この身に魔力を浴びるまでは。]