[…そんな粗野な男が、
5年前を境にパタリとくるのをやめた。
BloodSunの傘下のものは、むしろどんどん増えていたのに。
スラムや裏社会のあちこちで法外な稼ぎ方をしているという噂も当然流れていただろう。けれど、それ以来『男』自身は来なくなり。
しばらくしたあとに、愛らしい少年型アンドロイドが
ぼろぼろな姿で葬儀社を訪れたのだ。
その時相手にしてもらったのは…
確か、顔に傷のある女だった気がする。
男にとってその来訪は、
その外見がどれだけ使えるかのテストだった。
中央表通りでも、十分通用するものであれば、
演技力を上げれば、油断する敵も更に増えるだろうという腹積もりだった。
ほんとうにただテストのつもりだったのだ
それなのに…… ]