ある日のトループ、日中
[トループでの日々は何もかもが平穏で、言ってしまえば“何もすることがなく”。ボクは文字通り生まれて初めて、何もしないのに生きている、という暮らしを経験していた。
通りでは何処の国の者だったか、時折声高らかに「誰も死なない世界を」と叫ぶ。誰も死なない世界……なんて想像したことさえもなかった。
その日、ついうっかりレアチーズケーキとホットケーキときんつばを買わされたボクは
>>63、荷物に埋もれそうになりながら歩いていれば、壁にぶつかった。
――否、違うか。壁のような大男だ。それもよく見知った。]
ああ、先生か
ぶつかってごめんね
あ。先生甘いもの好き?
[差し出すのは当然三択だけど。一緒に食べようという名目で、荷物持ちをさせようという魂胆はどこまで叶ったか。]