[イノリくんに気付いた女の子の声が響く。>>153
周りにいた子供達が一斉に僕らの横に駆け込んでくれば、イノリくんは僕の陰に隠れる。
その様子を見て一緒に狼狽えるお兄ちゃんがいるか? いるわけないよね。
一応、飛び掛かられた時に備えて身構えるけど、一人の子供が僕の事を指させば事態は急変する。]
『このおっさん誰!?』
よーしイノリくんアイツだな?
ちょっと痛い目見せてくる。
[幽霊である以前にガキだと思い直した僕は、腕を巻くりながら前に出ようとして、イノリくんが仲間たちの前に飛び出した事で教育的指導(物理)は一旦中止となる。
それに敵意が無い事や、イノリくんが来た事を教えた女の子からも謝罪を受けてしまえば、振り上げようとした拳(本当に上げてる訳ではない)は降ろす場所を失ってしまう訳で。]