─ヌルの仕事─
[焼却炉を使う前に、やっておかなければいけないことがある。
燃えるものと、燃やしてはいけないものを分けること。
機械パーツは燃やしてはいけない、それ以外はだいたい燃えるもの。
体内に埋め込まれていた部品が弾けて、焼却炉の中で爆発したことがある。それからは入念に確認している。
仕分けたものを焼却炉に入れて、燃え尽きるまで数時間待つ。
その間に片付けと次の準備をしておく。
炉の火が消えたら、骨と灰を掻き出す。殆どの骨は燃えてしまうが、残ったものはさらに細かく砕く。
砕いた骨と灰を、土で作った壺に入れて蓋をする。壺といっても焼成したものではなく、型を取って乾かしただけの簡単な物だ。それを庭の一角に埋める。
そうやって、ここは作られている。]