……ああ、[見送る際、それしか言えなかった。オクリビもまた勘違いをしていた。彼女の言葉は“遺体がどこかにある”という話だ。……それはない。それはきっと断じてないと、言える。見てもいないが、“振り込まれた金”、非人道的な組織、10年も前の遺体を取っておくほど、まともな組織じゃない。それでも「あるのですね」というひと言は、互いの間に新たな可能性を生み出した。呆然とその姿を見送る。争いに一時終止符が打たれる、嵐真っ只中での出来事だった。**]