[改めて子供達の輪の中で、イノリくん(気が付いたら服装は初めて会った時に戻っていた)は一言心の内を告げて、それに子供達が応えて。そんな様子を眺める僕。>>154
イノリくんと同じくらいの、年端もいかない少年少女たちの姿に胸が痛む。
これだけの人数が亡くなる"施設"なんて本当に禄でもない。
だけど、それに対して僕に何かが出来るとは思っていない。
僕たちだって、皆誰かの犠牲の元で生きていたから。
彼らを救う事が出来るほど僕は強くない事を理解していた。悔しいけどね。
だから今目の前の光景は、ある意味では孤児院の送別会の様なものかもな、と思いながら眺めていた。
やがて、申し訳なさそうに告げるイノリくんの言葉に苦笑を零せば。]
まあ驚いたけど、全然大丈夫。
これくらいの人数、孤児院でもよく見る光景だし。むしろ温まったというか。
[温まっちまったよ……の別の意味なぞイノリくんは分からないだろうのを良い事にそう呟けば、心配気な言葉に平気だよと伝える。]