……僕の方こそ。
イノリくんが居てくれたお陰で、良い大人で居られたからさ。
[素直で眩しい言葉を紡がれれば、どこかくすぐったい気持ちでそう返す。>>155]
僕だってイノリくんが居なかったら、きっと満足に園内を周れなかっただろうし、ローズさんと会う事も無かった。
お一人様を気にし過ぎて挙動不審だったろうし、本当は全然かっこよくない大人なんだぜ、僕は。
笑顔だって、僕はきっかけを与えただけで羽ばたいたのは、楽しんだのはイノリくん。
キミが心から僕らに向き合ってくれたから。
[イノリくんが救われた様に、僕も救われてるからお互い様だよと笑えば、重ねられ包まれる手とは逆の手で頭を優しく撫でる。]