[……実のところ、白薔薇には「白薔薇としての」カッコよさは、自分ではよくわかっていません。
それでも茶々丸から「カッコイイ」と言われたので、カッコイイんだろうなとは自分でもよくわからないなりに思いました。そして、やはりよくわからないけれど、自分が「すごい」らしいとも思いました。>>0:343
(※人はこれを「ツッコミ不在状態」と呼ぶかもしれませんが、そんなことは白薔薇にはよくわかりません)]
イヌの耳は敏感、だったか。
茶々丸・カワイイには、私の歌も聞こえているかもしれない。
[歌い終わった後に、白薔薇はなんとはなしにこう呟いていました。
……それと、もう一つ。茶々丸が名乗った名に「カワイイ」が含まれていたことも、白薔薇は全く訝しみませんでした。かわいいのだから「カワイイ」と(ご主人様に)名付けられた、くらいにしか考えていません。
家主の兼平家にとって犬猫がある程度身近だった環境とはいえ、その犬猫に「カワイイ」ばかり言っていると相手は自分の名だと思い込む……なんて知識は白薔薇のもとには届いていなかったのです。]