ー リベルテ降機前:薄桃色の君と ー
[声をかけた彼女は、一週間前に見かけた彼女と違い、
淡く明るい、女性的な服装をしていた。>>134
何かに怯え、自らの身を守るように着ていた黒い服とは違い、どこか開放感のある、晴れやかな姿だが、緊張した顔持ちにはあのときの面影もある。
なれない足取りで駆け寄ってくる少女が
男のそばまでくれば、>>135
男は彼女が転ばぬように片手を軽く差し出して迎えるだろう。]
そうだな、一週間あっという間だった
……気にすることは…ハンカチの一枚くらい…
[と、言いつつも、彼女が両手で差し出したそれが、
綺麗に洗われ、アイロンがけされているのに気づけば、それをきちんと受け取るだろう。
男にとっては大したことのない一枚でも、どうやらこの少女は…とてもとても、大切にしてくれていたようだから。それ相応に扱い、そして感謝を受け取るのも礼儀だろうと]