[起動状態にある「ジョン・ドウ」の捕獲に成功したのは、公爵が捕り、アリシアからサーブされた機械人形の頭部があったから。>>#5>>117
動力部から切り離され、半分ほど中身が使い物にならなくなっていたソレであったが、弱点含む攻略法を探るには十分すぎる。
「夜の女王アリア」で引き抜かれた情報は直ちに他組織へ共有され、トループを徘徊して居た内の一体を捕獲。暴れぬよう殺さぬようバラバラとし、そうして今に至る。
手足は既に解体済み。バラバラのソレは凡そは調べ終わったものの、まだ足りないとばかり技術班がたかって居る。
ボディには一際多く人が集まっていたが、人形本体はと言うとたまに痙攣し、抵抗するようなモーター音を響かせて居ただろう。
内部にあった死体紛いは早々に引きずり出されており、此方は医療班が取り囲んでいる。
人形を調べる者、捕獲されたソレを一目見ようと顔を出す者、倉庫内に居る者に用事が在る者。
様々な人間が集まりザワザワと騒がしい倉庫内であったが、出来る限り集中出来るよう、赤い男は機材の一部にもたれ掛かり、俯いて目を閉じる。
大漁の情報を吸い出し、より分ける作業はかなりの疲労を伴う。
病み上がりの身体であれば猶更と、服の胸元を大きく開け、首にはタオルをかけていた。
機材の山に埋もれ眉間に皴を寄せる姿は珍しい物であったが、さて、それを覗きに来る者は居たかどうか。]