[ある程度の区切りがつけば薄っすら目を開け、顔を上げボトルの水を煽り、再び目を閉じて作業に戻る。
その繰り返し。
他者から休憩を促す言葉があればケーブルを外す事もするが、基本的には付けっぱなし。そこまでの技術があるヤツはあまり居ないからと、電脳を乗せている者らにとっては悪夢でしかない男は、今は馬車馬のように働かされている。]
……暑いな
[時折タオルで額の汗をぬぐい、若干の熱暴走を感じる自身の電脳を適当に誤魔化す。
キツい事に間違いは無いが、そこまで悪い仕事じゃあない。
子供が遊びに没頭するよう人形内側にあるプロテクタを幾つもこじ開け、機材へと情報を流して行く工程は慣れたもの。
ただ、普段している物よりあらゆる物が膨大であるだけ。終わりが見えるのは果たして何時になるか、そんな事はこの場の誰にも分からない。]