[亡くなった人達の手向けにはならないかもしれないけど、イノリくんの身の周りの人へのちょっとしたお土産になるかな、という思いつき。 正門でお別れが出来るなら、その時に。 叶わなくても、スタッフの誰かに遺せれば上等と。 お節介かな? まあこれくらいは許してほしい。 まがりなりにもお兄さんを名乗った僕のちょっとした我儘だからさ。 改めて、振り返った僕は夜の庭園を駆け出し始めた。 夜明けはそう遠くない所まで来ていただろうか。**]