[船内の廊下とエレベーターをいくつか経由し、自室前へ。そこで少しお待ちくださいと告げ、一人室内へと入る。私は探し物に時間を取らない。何故なら、持ち物の位置は全て脳内に記憶されているから。ほどなくし、私は小さな箱を手にして彼女の元へと戻る。] お待たせしました。 わざわざ一緒に来て頂いてすみませんでした。 …先程、貴女がオレンジを手にしていたのを見て、 ふとこれを思い出しまして。[箱の蓋を開くと、そこにはマンダリンオレンジ色のシトリンという宝石がついたブローチが入っていた。]