[切り裂かれた瞬間、みぎうでを大きく振るう。
先程の仕込み刀でも、右腕の銃口でもない。
右の手の甲付近から飛び出すのは、
小さいが鋭利な鉤爪。
男がナイフを振り切り、
またもとの構えに戻る瞬間を狙って、
爪を突き立てようとするが、
果たして彼の肉に突き刺さっただろうか?
男は、自分の引き裂かれた腹を見て、
うえっ、という顔をしつつ]
あーあーあー。縫うの結構大変なんだぜ?
おハリコの野郎、泣いて嫌がるからさせたくねーのによぉ
[と、文句をいう。痛みのたぐいは感じていない。だというのに、それ以上に不快そうな顔をしていた。
…残り時間は、4分程度か?荷物の剥ぎ取りがうまく行ったやつから逃げ始めている。そうそうそれでいい。殺す必要はない。必要なのは資源なのだから。]