[倉庫が暑いのか、自分の頭が暑いのか、傷が熱を持って居るのか。そんな事は既に分からなくなって居たが、吐息を零し、何度も汗をぬぐう。アリシアは今はどうしていただろう。処理に追われる頭の片隅、そんな事を考える。公爵(デューク)直々に彼女の世話役を仰せつかったものの、現在軸における優先順位と言う物がある。自分の今の職場は此方であると、表の世界から攫って来た公女様(おひめさま)はそのままに。多分ページボーイの傍についているんじゃないかななんて思考の着地地点を見つけて。眠りの暗闇に落ちるよう、情報の海を泳ぐ。**]