……ーーー。わすれられて ない?
[お伽噺を読み聞かせるように、レオーネ様が語ってくれたお話に、ラピスは眼を少しばかり丸くしました。
何年もガラクタの中にいました。
ガラクタとともに捨てられていました。
打ち捨てられた自分は誰にも見向きもされませんでした。
探してくれるニンゲンサマなんて だれもいなくて。
ここには、『そんな子』たちがたくさん集まっているようにみえたのに。レオーネサマの『マイロード』サマは、そんなぼくたちのことをずっとずっと覚えていて、レオーネサマも、ぼくたちも、『マイロード』サマの心の中にいる、なんて
待ち続けることすら、許されませんでした。
待ち続ける機能も、記憶も、過去も空っぽで。
自分には何もなかったはずなのに。
この遊園地の主様は、とてもとても…お優しい方なのだと、知りました]