……「ぼくはダメ」?
[頭の中を覗く、というのがあの悪魔のような男の悪趣味の事を指しているのであれば、さしずめあの男が覗こうとしたら人間だった、といった所だろうと推測する。
しかし少しつまらなそうな表情をする彼を見て、あるいは──私と夜雀亭で出会っていた時のような、何か特別な関係があったのだろうか、と思い至り、閉口した。
葬儀屋には葬儀屋の事情があったのだろう。
フィジシャンからなんの説明も無いあたり、組織に関係は無さそうではある。これが混沌を呼ぶものかと言えば、しかし単独の彼を警戒しすぎることはないだろうと思い直し。
続く話へと意識を向けるだろう。]