―― むかしばなし ――[ ボクの暮らしていた集落には名前も無かった。 それでも身を寄せ合う大切な場所だから 呼称したがる人はドムスって呼んでたかな。 少ない太陽の光を集める技術を編み出し、 熱と光を利用した小規模な農場の開拓に 成功したボク達は、決して豊かではないけれど それは平和に暮らせていたと思う。 まあ開拓できてもさ、 こんな荒れた星の土じゃ養分なんて無いんだもん。 作物も本当に小さくて、少なくて、失敗して。 それでも収穫できた時はとっても嬉しかった。 ]