[ヘローは至って落ち着いた素振りで、幾らか思案気に鷺のくちばしを開く。
この態度は、「ニンゲンサマ」という呼称の、ヘローの出身地においての政治的な意味合い>>74故。
この呼称をここで聞くことがなければ、おそらくラピスの面前には限界オタクめいた内心の争乱を一人抱えて苦しみ悶える魔改造エンジニアが存在していただろうから、「ニンゲンサマ」の語がこの場で出てきたことはある意味幸いだったのかもしれない。妖精たちの余計な悪戯を招かなくて済んだという意味でも。]
ラピス。君の現状は、だいたいだが分かった。
そうだな。今は記憶の空白について思考するより
「遊園地のお客様」として「楽しむ」のが先だろう。
その中で、君に必要なものも自然と見つかるかもな。
[気が付いたらこの遊園地の入り口に居た……というのなら、相手も己と同じくあのチケットを手にここに来たのだろうと考えて。]