だめ、やめてあげない
[オフを、オンに。
扉に貼り付けられていた電気柵のケーブルを水に浸して、自分が居るのは安全圏。
重い電源スイッチをバチンと入れれば、火花と共に電流が走り、水面に足を付けている者らを等しく襲った。
乱暴でかわいそうな人達には、わたしが愛を教えてあげなくちゃね。
大丈夫、死に損なう事は決して無いから。だから安心してちょうだいな。
水溜りの中、感電死した者らを置き去りに。わたしは扉の向こうへ消えて行く。
此処からであれば調理場へのショートカットが可能な筈だわ。
転がるバールを丁度良いとばかり拾い上げ、鼻歌交じりに走り去った。**]