別になついているわけじゃない
庭園の隅っこで飲みながら本を読んで寝てたら、開けてた菓子の袋にいつの間にか顔突っ込んでたのが出会いさ
前は少しでも動こうものなら即逃げていったもんだが、今は手さえ伸ばさなければ眺めるのは許してくれる
それぐらいのもんさ
[顔を上げ、彼女から離れるとにやっと笑った後、呟いた。]
俺は古い土地でずっとやってきた古い人間だからな
船に乗ろうとする前は、最新技術なんて、宇宙なんて、ってどこかひねくれて見ていたんだろうな
けれどもなあ、こうやってここでも皆、地球と変わらず必死に生きているんだな、と思うと、技術の高さとか場所とかは、生き物が生きることに、あまり関係がないもんなのかもな、とも思う
なんだかなあ、ほっとするような、空しいような…