『バッカお前――……、………、』
[ヘロンさんと別れて、アドベンチャーエリアの密林を歩いていると幼いころ、いつも聞きなれていた人の声が纏わりつくように頭に響いてきました。
お父様やお母様の前では“お嬢様”とか言って従順にしている癖に、2人きりになると途端に口が悪くなって、“お前”呼ばわり。
ちっとも、変わらない。]
脳内に直接話しかけないでよ………
[乾いた地面に落ちた一雫はその影すら残さず、跡形もなく吸い込まれて行きます。
ここでは足元を照らすのは青白い月明かりだけ。
所々、木々の間に設置されている探検家を模したヒトガタは景色の一部となって溶け込んでいました。]