君もたくさん、楽しんでくれ。
今観たショーに「タノシイ」を感じられる君なら、
他の出し物にもきっと「タノシイ」を得られる筈だ。
[譬え君がスクラップであっても、と小さく呟きながら。
こうして話を交わしながらフロアに立つ……もとい浮かびはじめるうちに、今回のサーカスの演目も全て終了する頃合いか。
そろそろ別の場所に行く頃合いかと考えたところで、ヘローは思い出したようにふと言い添える。]
それと、ラピス。
私のことを「ニンゲンサマ」と呼ぶ必要は無い……
というのがプログラム上難しいなら、そうだな。
今後、私のことは「ヘロー」とだけ呼んでくれ。
[「頼む。人間だとバラさないでくれ」という懇願めいた命令は、なんとなくこの夢の中では(誰にでもバレ得るという意味で)本当に意味のない口止めになりそうだったので、やめておいた。
それからヘローは、ダンスステージを後にしようとして――]