[それだけ告げると、人の腕を身につけ書置きを一つ。] 「少しのお別れです。 嵐が来ます。どうか窓を開かないで。 ご無事でありますように。」[少女のものとは思えない、美しい字で書きとめるだろう。きっと「私」のことを察しているだろう彼女なら、その意図を汲んでくれるはずだ。少女は家を出る。強くならなければならない。そして、体を使えるだけでもない、頭を使えるだけでもない、第三の武器を。すなわち、組織を。使って私の大切なものを守るのだ。*]