『ワン!ワン!』[エリアの演出として聞こえてくる獣や鳥とは別の声に私は振り向きます。私を追いかけるみたいに、小さな身体で懸命に掛けてくる子犬が目に映りました。その小さな点だった姿は声が近くになるにつれ、段々大きく鮮明になっていきます。]わっ!っ、……ヘロンさんとの用はもういいの?[迎えるように屈むと、子犬は走って来た勢いのまま飛び込んできました。]