「立てるか?席まで戻ろう。 食った分、全部出しちまったな。でも、もう入らないだろう。 俺はすぐにこの店を出る。 君はもう少し休んだ後にした方がいい」手を添えて立ち上がるのを支えると、そのまま席へと連れて行こうとする。大人しく従ってくれたら、ゆっくりながらも戻る事ができたかな。席に座らせることができると、すぐに自分の伝票を取って店を出る支度をする。「ああ、コレ、……やるよ」彼女の前に差し出したのは、ケース入りのマイクロチップ。この中には、先程聞かせた音声データがおさめられている。