先生ー来たよー
もう水着着てきたよ。
行こう?
[先生の借家に着き、玄関へ声を掛けると、庭の方から水を撒く音がする。
玄関先に自転車を止め、荷物を軽く降ろすとそのまま庭へと向かった。]
あ、いっぱい咲いてる!
しかも、凄く鮮やかな色。
[夏の日差しが差し込む庭に足を踏み入れると、感嘆の声を上げた。
壁やフェンス沿いに広がる緑に一斉に赤いブーゲンビリアが花をつけていた。
先生が今年はあまり良くないかもしれない、と言っていたのを聞いていたが杞憂だったようだ。
水をかけられたばかりの花々は、より濃い色を陽の光に露わにしていた。]