>>167 ユークレース[ 何か言われているが、答えないままそうしていた。眼を伏せるようにしていたが、鼻を寄せたままゆっくりと其方を見る。その眼は少し紅が混ざり始める。求めるうちに、欲する様になった?何処か冷静に脳内を巡る。この手首の主が動かない事をいいことに、暫く匂いを堪能する。──どれ程経っただろうか、寄せていた顔を至極ゆっくり離す。掴んだ手はそのままに、別の手でその手首を触った。何かを確かめるように。 ]