ツバサ。ああ、その呼び方でいい。
[「様」なんてつけずに、と。白薔薇は顔を笑みの形にしてみせました。
そして白薔薇はえりざべーとから「お洒落な名前」と言われたことで、自分が具体的になにものなのか言っていなかったことに気づきました。>>159]
「白薔薇」は、名前という訳ではない。
私は、白い花を咲かせるバラ、のたましい。
私だけの名前で呼ばれたことはないんだ。
[自覚している範囲で、白薔薇はそう付け加えます。
そしてうさぬいの「えりざべーと」の名前も、ここで漸く聞くことになったのです!]
えりざべーと。聞いたことがある。
皇后、皇帝、伯爵夫人だったか。
君に似合う、高貴な名前だ。
[白薔薇はえりざべーとの話し方と高笑い、そして理解力から、素直に「似合う」と考えてこう答えました。
残念ながらここにはSEやCGを合成してくれるテレビスタッフさんはいない……と思われたのですが、白薔薇の緑色の目には、何故かえりざべーとの背後に薫り高く咲き誇る白薔薇(※イメージ映像)が見えました。これもこのお宿の不思議に違いありませんね。]