[錬金術には理屈がある。どんなに荒唐無稽に見えたって、ほんとは厳密な計算の上でなりたっていて、そこには必然と安心感があるんだ。恋愛なんてさ。人の気持ちなんて。目に見えない、不確かなもの。永遠だと信じた次の日にはなかったことにしてしまえる、その程度のもの。そんなのに心を預けて、振り回されて一喜一憂して、人生を左右されてばかみたい。確かめようがないものなら、最初から全部「ない」ことにしてしまった方が、シンプルでめんどくさくない。そうでしょう?]