[そしてもう一匹。
バフの力が後押ししてくれる。
幼馴染がずっとずっとドラゴンが好きなこと、知っている。
部屋に身体がすっぽり収まるくらいのドラゴンぬいぐるみソファがあったり、絵本で登場する度に歓声上げてたし。
だから、今から呼び出すこの子。
ひとりで封印したときは、最初、とうとうやった!とぬか喜びしかけたのだけれど……ほらこんなに身体が長いし……シルエットだけだとぱっと見、日本の川の神様的なほうの竜っぽ……
出でよ、もうすぐ明けまして巨大ヘビ!]
とうとう捕まえたと思ったんだけどなぁ。
ドラゴン魔物……。
[ぽつり。]
あ、窓から逃げようとしてもダメよ!
[逃げ足早めの魔物をヘビの長い尻尾がクルンと捕らえる。]