[1階は他と比べると入り口に近いからか、魔物の数はそれほどでもなかったかもしれない。それでも封鎖するうちにはやはり数体には出くわす。
そういう時は俺の出番だ。
どれも強さはそこそこだが、余程の大物でなければ指の間に凝縮させた冷気で作り上げる氷のダーツ1本で、頭を狙えば頭が凍り、心臓にあたるコアを狙えばコアが凍結し、そのまま砕け散る。
当たればほとんど必殺の一撃ではあるものの、作り上げられるダーツは多くても一度にせいぜい10本。投げ終えれば無防備になるから、再びチャージが完了するまでの間は詩音の盾に隠れる形になる。
…まあ、実際は詩音の盾の陰から軌道を歪曲させて撃ち込むのが、格好悪かろうが一番安全で手っ取り早いのだが。]