[魔女はカウンターに紫色のサテン生地のオルタークロスを敷いた後、棚から一冊、黒色の装丁の本を丁寧に置く。
ノートというには中の紙がたくさん挟まれ、分厚くなっているそれは、確かに見覚えのあるもので。
中身を検めてちょうだい、と言う言葉に促され、クロスの上でノートを開く。一枚ずつページをめくり、自分の筆跡であることを確認しつつ、写真家の彼と約束したページも確認すれば]
・・・・・・私のノートだわ。拾ってくれていたの?
「そうさね、私らにとっても貴重な遺稿・・・・・・というと言い方は悪いけど。
ともあれ、野ざらしのままおいとくわけにはいかんでしょ。貴女が取りに来てくれなかったらどうしようかと思ってた。」
[苦笑するカウンターに立つ魔女に、つられて笑みを零した。]