[…本当に何もできなかった。震えてるしかなかった。
いつもならどうすればいいか、公爵も周りの大人も
しっかり教えてくれた。導いてくれた。
…教えてもらうことばっかりだった。
それを、今まで教えてもらってたことを。
アタシは何一つ使えなかったんだ。
常日頃から、公爵に頼りきりだったからこそ
自分の頭で『家族を守る』ってどういうことか
まるで、考えようともしなかった。
けど、それじゃ駄目なんだ。
家族を、みんなを守るって、
そのぐらいふだんから周りのこと見て
考えて、考えて考えて…
それで、ようやく、できるものなんだ]