[その赦しを、ここで目の前のその人に対しても、はっきりと伝えました。]
だから、先輩。
君は君を、赦していい。
[それから白薔薇は緩やかな動きで両腕を伸ばして……その両腕を再び引っ込めました。
たとえ濁された言葉であっても「先輩」がされたことを聞いていたから(※こうした被害の知識が白薔薇に伝わってくる程度には、理音はちゃんと世間を知っていたということです)彼のことをヒトの身体で抱きしめていいのか、わからなかったのです。]
君が嫌じゃなかったら、
君が落ち着くまで、私は胸を貸すよ。
[もし「先輩」がこの提案を受け入れるなら、白薔薇はその両腕でその人のことを抱きしめます。
この言葉通り、彼が落ち着くまで、胸を貸して傍に居続ける心算で。]