―― 数週間後・海の見える病室にて ――
[あの後、アタイは妹を都心の病院から海の見える静かな田舎の病院に転院させた。
妹の病状はあれから徐々に回復していき、
今では調子のいい時は近くの海岸を並んで歩けるほどになっていた。
男との離婚もあっさり決まり。
(調査によればライダースーツの人間を見ると青ざめて怯えて震えながら逃げるようになったそうだ)
ようやく手に入れた妹との平穏で穏やかな暮らし――……
それでも妹の心身の傷が簡単に言えるワケではない。
時折、急に涙を流しながら吐いて寝込んだりして精神的に不安定になることもある妹に寄り添い支えよう。
大丈夫。時間はたっぷりあるし、おねーちゃんもいる。
妹が元気になり一人で生きられる力を手に入れられるまで傍で何度でも助けてあげよう]