[アタイは妹の体調が安定している頃合いを見計らい、
海の見える窓辺のテーブルに腰掛け、コーヒーミルで珈琲豆を砕いて丁寧に淹れた自家製珈琲を妹に振る舞おう。
美味しそうに珈琲を飲む妹が無邪気な声でアタイに声をかける。
『美味しい! おねーちゃん珈琲自分で淹れれるんだね。
味も優しくて気持ちが落ち着くみたい……』
珈琲の味を気に入った妹にアタイは笑いかけながら一緒に珈琲を飲む。
ああ……、やっぱり落ち着くな。この味――……]
この豆はネェ、ある人から貰った大事なものだよ。
この星に来るために乗った船で会った人に貰ったんだ……。
[懐かしさに目を細めていれば、妹がすかさず身を乗り出して。
『ねえ、その人っておねーちゃんの好きな人?』
なんていきなり言うからアタイは思わず珈琲を喉に詰まらせかけてげほげほと咳き込む]