[ 彼女の髪に触れていた手を、ミモザの小さな花の一粒へ。 ぷつん、と積むと 指先ほどのそれを持って彼女と繋いでいた手を解いた。] 君はいつも、一人で頑張りすぎてしまうだろう? [ 彼女の手を掬うように下から持ち上げると、 その指の甲の上に彩るように小さな花を乗せる。 風で飛ばぬよう、花籠についていた細い麻紐を拝借し 彼女の指に黄色い花を纏わせて。 ] 弱音を吐きたくても吐かないで どこか諦めたように自分の足で立とうとするだろう。 [ そうしてそんな彼女の手を、またそっと握った。 ]