── いつかのスポーツジム ──
[この宇宙船に来て少し経った頃だったか。
ランニングマシーンで走るその子を見かけたのは。
ひょろっとした体躯にぶかぶかのトレーニングウェア。>>163
明らかにキャパオーバーな運動量。
それはアタイが言うまでもなくマシンに表示されているだろう。>>162
トレーニング終わりはいつもこの世の終わりみたいな顔をして座り込んでいる様子にアタイはついつい世話焼き根性がわいてニンジャカラテの組手をやめて声をかけた]
よっ!お疲れさん。
よく頑張ったな、坊っちゃん。エライぞ!
アタイはアーネスト!短い間だけど仲良くしておくれよ?
[そう言って可能なら頭をくしゃくしゃ撫でていたかもしれない。
どこか孤児院にいる弟や妹に重なってつい子供をあやすような眼差しを向けて接してしまう]