[級友に、交際相手に。誘われることはあっても、足を踏み入れたことのないこの場所を訪れるためのチケットだ。しかも、この遊園地は、なくした大切なものが見つかるのだという。――自分が、何をなくしているのかはっきりとはわからない。けれども。 せめて、それが何なのかを、知りたい。 祖父母も両親も、そして姉たちも隠す何かを求めてしまうのは家族の愛情を、信頼を、裏切るようなものであろうか。 意を決して灯りを消す。 布団の間に滑り込んで目を閉じれば、あっという間に眠りが訪れた]