―――――――え?[足先まで届く黒衣から覗く靴底。 その人の姿の顔立ちはまるで見えなかったけれども、 その靴底が床板を鳴らす音には――聞き覚え>>0:414が、あって] エナ、 ………………。[思わずヘロンが席を立った時には、もうその黒衣とスカーフの君の姿は、どこにもない。 空になった清炒菜心の皿の前で、褙子を纏った残鷺の君は、暫し立ちすくむ。**]